ポータブル電源は何Wh必要?容量の計算方法と消費電力の調べ方

この記事の目次
ポータブル電源の「容量(Wh)」は、何を何時間使いたいかが決まらないと、自分にどれだけ必要かを判断できません。この記事では、WとWhの違い、家電の消費電力の調べ方、必要な容量を出す計算式を、環境省やメーカーの公開情報をもとに順に説明します。
この記事の結論
必要な容量は、次の式で目安を出します。
必要な容量の目安(Wh)= 消費電力(W)× 使う時間(h)÷ 0.8
- 「0.8」は、電池にためた直流の電気を家庭用と同じ交流に変えるときの変換ロスを見込んだ目安の係数です。実際に使える時間は製品と家電で変わるので、少し余裕を持って選びます
- 消費電力は、家電本体のシール、取扱説明書、カタログで確認します。複数の家電を使うときは、家電ごとのWhを足してから0.8で割ります
- 冷蔵庫のように動いたり止まったりする家電は、消費電力に24時間を掛けると大きめに見積もりやすくなります。年間消費電力量から平均の目安を出す方法があります
WとWhの違い:容量は「Wh」で比べる
- W(ワット):その瞬間に使う電気の大きさ。家電では「消費電力」として書かれています
- Wh(ワットアワー):ためておける、または使った電気の量
2つの関係は「消費電力(W)× 使用時間(h)= 電力量(Wh)」です(環境省、日本電機工業会)。たとえば1,200Wのドライヤーを6分(0.1時間)使うと、1,200W × 0.1h = 120Wh です。
ポータブル電源の仕様表にある「容量」は、このWhで書かれています。どれだけの時間家電を使えるかは、Whで比べます。
一方、仕様表の「定格出力」はWで書かれた数字で、ポータブル電源が安定して出し続けられる電力です。つなぐ家電の消費電力が定格出力を上回ると、容量が足りていてもその家電は使えません(メーカーの解説)。出力の考え方は定格出力と瞬間最大出力の違い:電子レンジやドライヤーは使える?で説明しています。
家電の消費電力の調べ方
本体のシール・取扱説明書・カタログで確認する
家電の消費電力は、本体に貼られたシール(消費電力・電圧・電流の記載)、取扱説明書、カタログで確認できます(環境省)。計算には、実際に使う家電の数字を使うのが基本です。
調べた数字は、「何を」「何時間(何日分)」「同時にいくつ」動かしたいかと一緒に書き出しておきます。この後の容量の計算と、定格出力の確認にそのまま使えます。
参考:環境省が示している平均的な目安
参考として、環境省が示している平均的な目安を載せます。製品ごとに異なるので、あくまで目安です。
| 家電 | 消費電力の目安 |
|---|---|
| 電子レンジ | 1,500W |
| ジャー炊飯器 | 1,300W |
| ドライヤー | 1,200W |
| エアコン | 660W |
| 冷蔵庫(450L) | 250W(※) |
| 液晶テレビ(42型) | 210W |
出典:環境省。※冷蔵庫はずっとこの電力を使い続けるわけではありません(後の「冷蔵庫」の項を参照)。
必要な容量の計算式と変換ロスの目安
計算式
必要な容量の目安は、次の式で出します。
必要な容量の目安(Wh)= 消費電力(W)× 使う時間(h)÷ 0.8
「0.8」は変換ロスを見込んだ目安
「0.8」は変換ロスを見込んだ目安の係数です。電池にためた直流の電気を家庭用と同じ交流に変えるときに、一部が熱などとして失われます。メーカーの解説ページでは、この変換効率は一般に約80%とされ、「使える時間(h)= 容量(Wh)× 0.8 ÷ 消費電力(W)」という式が紹介されています。別のメーカーの解説ページでも同じ0.8の式が使われています。上の式は、これを「必要な容量」を求める形に直したものです。
実際に使える時間はポータブル電源と家電の性能で変わるとされているので、0.8はあくまで目安として、少し余裕を持って選んでください。
計算例
環境省の目安値を使って計算すると、次のとおりです。
- 液晶テレビ(210W)を3時間:210W × 3h = 630Wh → 630Wh ÷ 0.8 = 787.5Wh → 約800Wh以上が目安
- 液晶テレビ(210W)を3時間+ドライヤー(1,200W)を6分:630Wh + 120Wh = 750Wh → 750Wh ÷ 0.8 = 937.5Wh → 約940Wh以上が目安
複数の家電を使うときは、家電ごとのWhを足してから0.8で割ります。ドライヤーのように消費電力が大きい家電は、容量だけでなく、定格出力が足りるかも確認します。
冷蔵庫のように「動いたり止まったりする」家電の注意
冷蔵庫は、いつも同じ電力を使っているわけではありません。冷やすためのコンプレッサーが動いている間に、まとまった電力を使います(メーカーの解説)。そのため、消費電力(W)にそのまま24時間を掛けると、大きめに見積もりやすくなります。
同じ解説では、年間消費電力量を1年の時間数で割って、1日を通した平均の消費電力の目安を出す方法が紹介されています。
平均の消費電力の目安(kW)= 年間消費電力量(kWh/年)÷ 8,760時間(Wにするには1,000倍します)
8,760時間は、365日 × 24時間です。
一方で、冷蔵庫は起動時に瞬間的に大きな電力を必要とする家電です(メーカーの解説)。容量は平均で見積もり、出力は起動時の電力で考えます。起動時の電力と「瞬間最大出力」の関係は、定格出力と瞬間最大出力の違いで説明しています。冷蔵庫の見積もり方は、別の記事で詳しく解説する予定です。
この計算が役立つ人と、次に読む記事
計算が役立つ人・先に確認したいことがある人
この計算が役立つのは、停電のときやキャンプ・車中泊で、コンセントにつなぐ家電を使いたい人です。何を何時間使うかが決まっていれば、そのまま式に当てはめられます。
次の人は、計算の前に確認したいことがあります。
- 停電時に必要なのがスマホの充電と明かりだけの人:東京都は災害時に必要なものの例として、モバイルバッテリー(乾電池式・ソーラー充電式)と懐中電灯を挙げています。ポータブル電源が必要かどうかは、ポータブル電源の選び方の「向いている人・ほかの備えで足りる人」を参考にしてください
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- 必要な容量が1000Wh前後になったとき:ポータブル電源1000Whクラス比較:4機種の公式スペックと選び方
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