通電火災とは?ブレーカーを切る場面と停電復旧時の行動を整理

この記事の目次
停電のあとに電気が戻るときの火災と聞いても、いつ何をすればよいかは分かりにくいものです。消防庁・消費者庁などの公的な案内をもとに、行動を場面の順に整理しました。
この記事の結論
- 通電火災は、停電から電気が戻ったときに起きる火災です。傷んだ配線や機器に再び電気が流れる場合と、倒れた電気ストーブが燃えやすいものに触れたまま電気が戻る場合があります。
- 行動は4場面です。停電中はスイッチを切ってプラグを抜く。家を離れるときは、避難に時間の猶予があればブレーカーを切る。電気が戻ったら確認してから使う。煙や異臭があれば消防へ連絡する。
- ブレーカーの話は「離れるとき」「猶予があるとき」の条件つきです。身の安全が先で、余裕がなければ無理をしません。
通電火災とは:電気が戻ったときに起きる火災
通電火災は、停電が復旧して再び電気が通ることで起きる火災です(総務省サイトの資料、2019年)。きっかけは主に2つです。
- 地震の揺れや浸水で傷んだ配線・機器に、給電の再開で電気が流れる
- 揺れで倒れた電気ストーブなどが、燃えやすいものに触れたまま電気が戻る
地震だけでなく、風水害で浸水した電気機器からも同じ仕組みで起きると、令和5年版消防白書(消防庁)は説明しています。
内閣府の検討会報告書の概要(2015年)では、阪神・淡路大震災で原因が確認された火災139件のうち、電気火災が85件(約6割)でした。電気火災は、内閣府・消防庁・経産省のチラシ(2019年)によると揺れに伴う出火や停電復旧時の火災などを指し、通電火災だけの数字ではありません。東日本大震災でも、原因が特定された本震による火災の過半数が電気関係だと内閣府は説明しています。
停電中、家にいる間にすること
- 電気機器のスイッチを切り、プラグを抜きます(消防庁、2019年)。熱を出す電気ストーブや電気こんろは特に対象です(消費者庁、2023年)。
- 明かりは懐中電灯など電気式を使います。消防研究センター(2016年)は、地震後は明かり取りにろうそくなどの裸火を極力使わないよう注意しています。電池式の明かりは停電時の明かりの選び方で扱っています。
携帯発電機を屋内で使わない点も、消費者庁(2023年)が挙げています。排ガスの一酸化炭素で中毒のおそれがあり、車内やテント内も屋内と同等以上に危険です。
家を離れるとき、電気が戻ったときにすること
家を離れるとき
消防庁(2019年)と消費者庁(2023年)は、自宅を離れるときに分電盤(ブレーカーが並ぶ箱)のブレーカーを切るよう案内しています。復旧時に、異常のある機器へ電気が流れないようにするためです。ただし消費者庁は「自宅から避難する際に時間的な猶予がある場合は」という条件をつけています。NITE(製品評価技術基盤機構)も、地震の直後はまず身の安全を確保し、できる範囲で対応するとしています。
分電盤の位置と操作方法は、普段から確かめておくよう消費者庁が勧めています。
電気が戻ったとき
消費者庁(2023年)が示す手順は3つです。
- プラグやコードの傷、焦げ跡がないか外観を見る
- ブレーカーを入れる
- 機器のプラグを1台ずつ差し、様子を見ながら使う
あわせて、燃えやすいものが近くにないかも確かめます(消防庁)。浸水した家電は、内部に水分・泥・塩分が残り、通電時に発火するおそれがあります(消費者庁)。使えるかの判断はメーカーか販売店に聞きます。
戻ったあと、異常を見つけたとき
外見に損傷がなくても、壁の中の配線や機器内部の故障で、電気が戻ってから時間がたって出火することがあります(消防庁、2019年)。煙や異臭に気づいたら、ブレーカーを落として消防へ連絡します(消防庁、消防白書)。異音や異臭がある機器は使用を止め、メーカーか販売店に相談します(消費者庁)。
向いている人・向いていない人と、確認先
向いているのは、初めて停電への備えを考える人と、復旧時の行動を決めておきたい人です。
向いていないのは、次の人です。
- 感震ブレーカー(強い揺れを感知して電気を自動で止める器具)の選び方や設置を知りたい人。種類によっては電気工事が必要で、確認先は自治体・消防・電気工事店・メーカーです。地震の揺れで作動するため、風水害による停電では動かないと柏市消防局は説明しています。
- 在宅医療機器を使う人。
医療機器を使っている場合
停電時の対応は、主治医・機器メーカー・自治体に事前に確認しておきます。内閣府と消防庁は、停電に対処できるバッテリーなどの備えを挙げています。ブレーカーを切ってよいかの判断は、この記事では示せません。
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