リン酸鉄リチウムと三元系の違い:寿命・重さ・熱への強さで選ぶ

この記事の目次
ポータブル電源の仕様表にある「電池の種類」は、サイクル寿命や重さに関わる項目です。この記事では、リン酸鉄リチウムイオン電池と三元系リチウムイオン電池の一般的な傾向、サイクル寿命の数字の見方、重さとの関係を、メーカーの解説をもとに整理します。どちらが安全かの優劣は付けず、自分の使い方で重視する点を決めるための記事です。
この記事の結論
- メーカーの解説では、リン酸鉄はサイクル寿命が長いとされ、熱安定性に優れると説明されています。一方で、エネルギー密度が低く、同じ容量なら重く・大きくなりやすいとされています
- 三元系はエネルギー密度が高く、小型・軽量にしやすい一方で、サイクル寿命はリン酸鉄より少ない傾向とされています
- サイクル寿命は、「回数」と「何%まで減ったら寿命と数えるか」の条件をセットで比べます
- 長く充放電を繰り返して使いたいならサイクル寿命、持ち運ぶことが多いなら重さ、というように自分の使い方で重視する点を決めます
一般的な傾向(寿命・重さ・熱への強さ)
仕様表の「電池の種類」には、リン酸鉄リチウムイオン電池(以下、リン酸鉄)や三元系リチウムイオン電池(以下、三元系)などと書かれています。メーカーの解説で説明されている一般的な傾向は次のとおりです。製品ごとの実際の値は、仕様表で確認してください。
| 項目 | リン酸鉄 | 三元系 |
|---|---|---|
| サイクル寿命 | 長いとされる | リン酸鉄より少ない傾向 |
| エネルギー密度 | 低い | 高い |
| 重さ・大きさ | 同じ容量なら重く・大きくなりやすい | 小型・軽量にしやすい |
エネルギー密度とは
エネルギー密度は、同じ重さや大きさにためられる電気の量のことです。表のとおり、エネルギー密度が低いリン酸鉄は同じ容量なら重く・大きくなりやすく、エネルギー密度が高い三元系は小型・軽量にしやすい、という関係です。
熱への強さ
熱への強さについては、リン酸鉄は熱安定性に優れるとメーカーは説明しています(メーカーの解説)。一方で、リン酸鉄は低温に弱いとする説明もあります(メーカーの解説)。
この記事では、どちらが安全かの優劣は付けません。電池の種類にかかわらず、衝撃・高温への注意やリコール情報の確認が必要です。買う前に確認できることは、ポータブル電源を買う前の確認点の「安全面」の項にまとめています。
サイクル寿命の数字の見方
サイクル寿命は、充電と放電を繰り返せる回数の目安です。メーカーの解説では、充電できる最大容量が新品のときと比べて約20%減った(約80%になった)状態を、寿命の目安としています。つまりサイクル寿命の回数は、「何%まで減ったら寿命と数えるか」という条件とセットの数字です。
一般的な回数は載せていません
この記事では「リン酸鉄なら○○回」のような一般的な回数は載せません。メーカーや解説ページによって、示される回数に幅があるためです。
製品を比べるときは「回数」と「条件」をセットで
製品を比べるときは、仕様表の「サイクル寿命」の回数と、その条件(何%に減るまでの回数か)をセットで見てください。回数が同じでも、寿命と数える条件が違えば、そのままでは比べられません。条件が書かれていない場合は、メーカーに問い合わせると比べやすくなります。
重さ・サイズとの関係
同じ容量なら、リン酸鉄はエネルギー密度が低いぶん重く・大きくなりやすいとされています(メーカーの解説)。製品ごとの重さとサイズは、仕様表の「重さ」と「サイズ」で確認します。
持ち運ぶのか、家に置いて使うのかで、許容できる重さを先に決めておくと候補を絞れます。キャンプのように持ち運ぶことが多い使い方では、重さを先に決めてから容量を考えると絞り込みやすくなります。必要な容量の出し方は、ポータブル電源は何Wh必要?容量の計算方法と消費電力の調べ方で説明しています。
使い方で選ぶ:サイクル寿命を重視する人・重さを重視する人
ここまでの傾向から、次のように考えられます。どちらの場合も、最後は製品ごとの仕様表の値で比べてください。
リン酸鉄が候補になりやすい人
- 長く充放電を繰り返して使いたい人(サイクル寿命を重視する)
- 家に置いて使うことが多く、重さや大きさを優先しなくてよい人
三元系が候補になりやすい人
- 持ち運ぶことが多く、重さや大きさを抑えたい人
どちらを選ぶ場合も確認したいこと
- リン酸鉄は低温に弱いとする説明があるので、寒い時期や寒い場所で使うなら、取扱説明書で使用温度範囲を確認する
- どちらの電池でも、衝撃・高温への注意と、購入前のリコール情報の確認は必要
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